蚊の毒性について:かゆいだけじゃない危険性も

肌を指す蚊

温かい季節になってくると蚊の存在が私たちを悩ませます。外にしばらく出て気が付くとあちこち蚊にくわれているということもよくあります。

また寝ている時に蚊が耳元で飛んでいる音が聞こえると、それだけで目が覚めてしまって不快な気分になります。

蚊にさされてしまうとかゆみが出てしまいますが、実はそれだけでなく病気を媒介することもあるのです。蚊のかゆみのメカニズムや媒介する病気などについて紹介していきます。

蚊のかゆみはどうやって引き起こされるの?

他の虫に刺されると痛みや腫れが出てくることが多いのですが、蚊の場合はかゆみが出てきてしまいます。時には我慢できなくなるくらい痒くなるのですが、なぜかゆみがでてきてしまうのでしょうか。

メスしか血を吸わない

血を吸うのはオスではなくメスのみです。他の虫は刺されたときに強い痛みを感じますが、蚊の場合は刺されていることに気が付かないケースがほとんどです。実はそれがかゆみと関係しています。

人間の皮膚にとまった蚊は6本の針を取り出してそれを皮膚に挿入します。この時に人間が痛みを感じないようにするため、麻酔成分、血を固まらないようにする、吸血時間を短くする成分が含まれた唾液を注入します。この唾液がかゆみを引き起こす原因となっているのです。

かゆみはアレルギー反応

メスの蚊から出された唾液ですが人間の体内に入るとアレルギー反応を起こしてしまいます。それがかゆみとなって出てくるのです。

なぜこのようなことをするのかというと、さして痛みを感じると人間は蚊を殺そうとするからです。それを防ぐために麻酔を入れて痛みを気づかなくさせて人間の血を吸います。

「血液型が〇〇だから刺されやすい」って本当?

よく血液型O型の人は蚊に刺されやすいと言われていますが、血液型によってさされやすさに違いはあるのでしょうか。またその根拠は何でしょうか。

O型が刺されやすい根拠

血液型によって蚊の好みが変わるというのは信じられないことかもしれませんが、実はちゃんとした根拠があるのです。

O型の人の血液の赤血球を覆っている物質がお花の蜜の成分と似ていることが、研究の結果わかっているのです。

蚊とお花の蜜

蚊はハチのように蜜を餌として生活しているわけではないため、蜜の味がする血にひかれる理由がわからないでしょう。

実は蚊が人間やその他の動物の血を吸うのは産卵の時のみです。それ以外の時やオスは実はお花の蜜を主食としているわけです。

そのため蜜と似たような味がするO型の血を好んで吸おうとするのです。ちなみにO型についで蚊にさされやすい血液型はB型、その後AB型、A型と続きます。

かゆいだけじゃない!媒介される病気を解説

蚊に刺されると強いかゆみが出ますが、それだけではありません。それは蚊が病気を媒介することがあるからです。

日本では蚊が媒介する病気についてあまり報告がありませんが、海外では事例が多いのです。媒介の可能性がある主な病気について知っておきましょう。

デング熱

デング熱といえば数年前に日本で流行したことがあり、ニュースでもよく見かけましたので名前くらいは知っているでしょう。

主に中南米やアジア、アフリカといった亜熱帯に生息するウィルスであり、感染すると発熱や頭痛、筋肉痛といった症状が起こります。ワクチンはなく特別な治療法は存在しないため、対症療法を施します。

ジカウィルス

こちらもニュースで話題になったウィルスですので知っている方も多いでしょう。同じくアジアやアフリカ、中南米といった亜熱帯に生息するウィルスなのですが、妊婦さんがかかると危険だと言われています。

それは胎児が小頭症を発生させる、神経症状の原因となってしまうからです。こちらも予防法としのワクチンは存在せず、蚊に刺されないように気を付けるしかありません。

その他の毒を持っている虫はこちら → ダニによって起こる害

まとめ

蚊の存在自体がイライラを増幅させますし、おまけにさされるとかゆくてツラいです。しかも蚊が媒介するような病気もありますので、蚊に刺されないように注意するのが望ましいです。

虫除けグッズや蚊取りグッズも多く販売されていますので、上手くそれらを利用して蚊にさされないように気を付けましょう。